性と暴力

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ダイエットランド

amazon prime video プライム会員特典見放題として配信中の、ダイエットランドというドラマのカスタマー・レビューに、「感情移入できれば」とか、「ガールズトークに興味があれば」との書きこみをみかけたが、そのいずれでもないのに、実に楽しめたことを記したいと思わずにはいられなかったし、また、このドラマがシーズン1で打ち切りになってしまったことは残念な気もするが、題材があまり長いテレビシリーズには向いていないようにも思え、このぐらいで終わってよかったのかもしれないし、ひょっとすると、3話ぐらいがよかったのかもしれないとも思った。

反撃

ダイエットランドは、カスタマー・レビューの書き込みを見ても、何かを連想させ、静かにしていることを許さない作品ではあるようで、私自身は性と暴力について、書きたくなった。すぐに思い浮かべたのは、ダーティーハリー4だった。これは今も、amazon prime video プライム会員特典になっている。この映画の原題である、「突然の」というのは、ダイエットランドにもあてはまるように思う。

hulu で現在配信されている女囚 さそりシリーズも、ダイエットランドダーティーハリー4と同様に捉えることができるのかもしれない。

闘牛

netflix で配信されている愛のコリーダも、抑圧されてきたものの暴力の発動が描かれている。この映画、その昔、まだ「美しき諍い女」が公開される前の時代に映画館で見た。肝心の場面に大きなぼやかしが入るために、何が描かれているのかわからず、あまり面白いものだとは思わなかった。現在、 netflix で配信されているものは随分と修正が少なく、阿部定がなぜ、切断という行為におよんだのかが、ずいぶんと、明快になっている。そんな風に思っていた。

いわゆる無修正ポルノと愛のコリーダの違いは性器の描写にある。無修正ポルノは女性器を中心に描写するが、愛のコリーダは男性器に描写が集中する。

この映画の核心は、定の激情と暴力性にある。一般的に、男性器は様々な象徴として語られる。権力、暴力、支配、の象徴としての男性器、これを切断する、所有する、というのは、いかなる意味を持つのか。

ネットを検索していたら、たまたま、愛のコリーダのスペイン語吹替版を見つけた。その詳細については全く知識がないのだが、殿山泰司や藤竜也にスペイン語がよく似合っていた。と、同時に奇妙な感じでもあった。

さて、この吹替版、当然、無修正である。これを見て、netflix で配信されている修正版でも、この映画の良さがずいぶんと削がれてしまっていたことに気づいた。男性器への定の執着が生々しく描写されることによって、暴力の重層構造が現わになる。定の抗議が聞こえてくる。定の暴力性もまた、受けた暴力の反転なのである。そのことは、無修正版でしか伝わってこない、と言っては言い過ぎになるのだろうか。いわゆる、愛、と言われるものの、その複雑さは、無修正で、つまり、性器が生々しく、現前することによってのみ、伝えることができたのだ、とさえ思わせるものだった。

定の暴力からダイエットランドを見るとまた、面白い。

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