ミステリオーソ
Apple Music、iOS アプリを利用しているときの話である。For You という項目があり、そこに Favorites Mix というプレイリストがある。「あなた好みのミュージックをミックスでお届け。毎週水曜日に更新」と書かれている。今週はKamasi WashintonのCherokeeから始まって、ディジー・ガレスピーのチュニジアの夜とか,カサンドラ・ウィルソンのAll of Meなどがある。そんなリストを眺めていて、セロニアス・モンクのパノニカがあることに気付く。好きな曲、演奏だから、あって当然なのだが、そのジャケットイメージに見覚えがない。
詳しく見てみると、アルバムはThe Art of the Balladというモンクのバラード演奏を集めたものらしい。このアルバムはライブラリに登録していない。この録音のオリジナルはアローン・イン・サンフランシスコのものではないだろうか。
セロニアス・モンクのアーティストコーナー
「アルバム」
Apple Music 内、アーティストコーナーのセロニアス・モンクのところを見る。アルバム、という項目があり、「すべて見る」を眺める。アローン・イン・サンフランシスコはない。
そのことは忘れて、余計なものを見る。Brilliant Cornersはふたつあり、マスタリングが違うのかどうかはいまひとつはっきりしない。Misteriosoにいたっては3つある。ひとつはオリジナル仕様らしく、ひとつはミステリオーソ+2、残るひとつはジャケットに「MASTERS」という文字が入っている。
ミステリオーソ+2は2曲が apple music では聴けないようになっている。ただ、その聴けない2曲は「+2」の曲ではない。オリジナル仕様と合わせれば、すべてが聴ける。というよりも、「MASTERS」となっているものに、その2曲は含まれているから、「MASTERS」があれば皆聴ける。こういった「ダブリ」は今に始まったことではないのだが。
「ライブアルバム」
さて、モンクコーナーのトップに戻り、いまいちど眺める。今度は「ライブアルバム」というところを見る。アローン・イン・サンフランシスコはここにあった。で、Pannonicaを聴くところなのだけれど、なぜか、最初のBlue Monkから聴きだしてしまう。Pannonicaに辿りついたころには、さて、あのパノニカとこのPannonicaは同じだったかということはあやしくなっている。
アローン・イン・サンフランシスコにはApple Musicによるライナーノーツのようなものが添えられていて、そこには”「Solo Monk」、「Thelonious Himself」などと並ぶ、セロニアス・モンク独演の代表作”と書かれていた。
Thelonious Himself
さきほど見た「アルバムコーナー」にはThelonious Himselfはなかった。そのかわりにNine Classic Albums:1958-61というのがあり、そのなかにThelonious Himselfは含まれているので、用は足りる。
「アルバムコーナー」の他に、「ベストアルバム、その他」という項目もある。これを書くきっかけとなったThe Art of the Balladもあるにはあったのだが、こちらにあるのは(Remastered)という表記が足されている。プレイリストにあったものは曲名表記が、カタカナ表記、日本語表記であったが、こちらは英語表記、アルファベット表記になっている。そして、このコーナーにカタカナ表記のものはない。
Thelonious Himselfもあった。ただ、(Keepnews Collection)という括弧書きのつけられたこれは、Apple Music では、13曲中、3曲しか聴くことができない。
Solo Monkを検索
ではSolo Monkはどうなのか、と探したが、このアーティストコーナーにはなかった。大体、Solo Monkよりも評価の高い「独演」があり、それとヒムセルフ、アローンをならべて、三大としていたような記事を昔々、読んだことがあるような気がするけれど、などと思いつつ、「検索」コーナーの検索窓に「Solo Monk」と入れてみる。
この検索をすると、Apple Music 内と、ライブラリ内とにわかれて、検索結果を表示する。ライブラリには昔々CDからリッピングしたものがあるから、当然表示される。ただ、アーティストコーナーには見えなかったから、apple music の方はないのだろうと思っていたら、こちらでも Solo Monk はあった。どうやら、Apple Music 聴き放題対象にもなっているらしい。
さらにThelonious Alone in San Francisco (Remasterd)というものも出てきて、こちらに付属するライナーノーツのようなものはまた違うことが書いてある。さらにもうひとつの傑作「独演」、Piano Soloも、これがまた複数ある。
結び
どうやら、Apple Music のアーティストコーナーというのは相変わらずあてにならないらしい。それはエンリコ・カルーソーを検索したときにも思ったことなのだが、そのひどさをすっかり忘れていた。
聴きたい曲、アルバムタイトルから検索をするとアーティスコーナーにはなかったものを見つけられる。それは、どうも、かなり、多い、らしい。
2019-03-05(火) 15:57:38